2023年09月13日

裏側の人間性

『1日だけのナイチンゲール・43人の体験談』(弓立社)の中に「わたしたちの職業は人間の生活の裏側とつき合うの。表側の生活が肩書、地位、身分、財産などとするならば、裏側はほんとうの人間性なの」という言葉が載せられています。大変深い指摘だと思います。今まで見えなかった人生の裏側が病床において現われてくると言うのです。そこには弱さや醜さ、愚かさなどが出てくるのではないでしょうか。本音の世界と言っても良いかもしれません。信仰に生きるとはその人生の裏側を照らす希望の光に生きると言えるのではないでしょうか。詩編37編37節に「無垢であろうと努め、まっすぐに見ようとせよ。平和な人には未来がある」とあります。無垢であるかどうかは裏側に現れてくるものです。改めて自らの生き方を考えさせられます。
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2023年09月08日

神のメガホン

人生において苦難を味わうことがあります。しかしそこには必ず意味があるはずです。C・Sルイスがこのような言葉を遺しています。
「苦難はあくまでわたしたちの関心を要求します。神は、楽しみにおいてわたしたちにささやきかけられます。良心において語られます。しかし苦痛においては、わたしたちに向かって激しく呼びかけたもうのです。苦痛は耳しいた世界を呼びさまそうとしたもう神のメガホンです」。(「負わされた十字架・逆境の中で」 山形謙二著・キリスト新聞社より引用)神は苦難あるいは、苦痛を用いて大切なことに気付かせてくださる。しかもメガホンをもって、大変ユニークな表現ですが、大切なことを指摘しております。聖書の中に、人生の苦難を味わったヨブという人物が登場します。彼は義人であるにも関わらず様々な不条理を味わいました。その彼が苦難を通して得た結論をこう述べています。「あなたのことを、耳にしておりました。しかし今、この目であなたを仰ぎ見ます。それゆえ、わたしは塵と灰の上に伏し自分を退け、悔い改めます」(ヨブ記42章5〜6節)。「悔い改め」とは、人生の180度の方向転換を意味します。義人ヨブといえども苦難の中で道を失いかけたようです。しかしそのような中で彼は正道を見出しました。今日も神はメガホンをもって、方向転換せよと叫び続けられていることでしょう。
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2023年08月23日

採算が合わず

 領土問題は今でも各地において起こっていますが、「領土拡大は採算に合わない」という文章を読み、目からうろこでした。『習近平の大問題・不毛な議論は終わった』(丹羽宇一郎著・東洋経済新報社)の中にそのような文章がありました。丹波氏は元中国大使で伊藤忠商事の社長をされた方ですが、ビジネスマンの観点から状況分析をしております。同氏が語るには、戦争に勝って領土を増やした国や支配地を拡げた国で、経済的に成功した例は極めて少なく、第二次世界大戦の戦勝国のフランスは、植民地であるインドシナやアルジェルアで起きた植民地独立運動を抑え込もうとして、歳出の4割を植民地の戦費に投じるはめとなり財政が悪化、結局、植民地を手放すことによってでしか財政問題の解決は無かった。イギリスは、戦後インドなどの植民地を放棄することにしたが、その後始末に大変な出費を強いられた。日本も満州国経営は、最期まで黒字になることはなかったと指摘しておりました。
 ところが逆に日本は満州、台湾、朝鮮など植民地や海外の権益を失ってから、奇跡的な経済回復をした。同様に敗戦国のドイツも領土や権益を保全した戦勝国イギリスや、フランスよりも経済的に大きく成長した。日本とドイツの例を見ると、植民地はいわば企業の不良資産といえる、と述べておりました。
 自国の権益をめぐる激しいつばぜり合いが繰り返されている国際政治において、また個々人の利害関係においても客観的な事実に立った貴重な視点であるといえます。詩編11編28節に「富に依存する者は倒れる。神に従う人は木の葉のように茂る」とありますが、持てる者が苦しみ、身軽になった者が栄えるのも現実です。何に依存し、何を捨てるか、それぞれが問われているようです。聖書は永遠に残るもの、永遠につながるものは何かを示し続けています。
 
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